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不動産

不動産の売却における決済から引き渡しまでのプロセスについて、必要な書類や持ち物も含めて詳しく解説します

大阪市東成区に事務所を構える株式会社アークです。いつもアークのブログご覧いただきありがとうございます。
不動産の売買契約が成立した後には、決済および引き渡しの手続きが必要です。
しかし、不動産の売却が初めての方にとっては、「何をすればよいのか」と不安を感じることが多いのではないでしょうか。
不動産の決済では、大きな金額が動くため、特定の書類が必要となります。
事前に準備を怠ると、当日に書類に不備があった場合、決済が延期されたり、トラブルが発生する可能性があります。この記事では、不動産の決済の流れや必要な準備について詳しく説明します。
不動産の売却を考えている方は、ぜひご一読いただき、安心して取引を進めるための参考にしてください。

目次

不動産売却における決済とは?

不動産の売却における決済とは、買主から残代金を受け取り、不動産の権利を譲渡する手続きです。

通常、決済は売買契約締結後約1ヶ月以内に実施されることが一般的です。

この決済が完了することで、不動産売却に関するすべての取引が終了します。

決済に関しては、以下の2点を理解しておくことが重要です。

1. 決済方法
2. 決済を行う時間帯

これらについて詳しく説明いたします。

決済方法

決済方法は現金と銀行振込の2つがあり、売主と買主の間でどちらを選択するかを決定します。

現金または銀行振込を選ぶ際の重要なポイントについて説明いたします。

現金決済

現金での決済を行う際には、買主が事前に銀行に連絡し、必要な金額を準備してもらうことが求められます。

事前の連絡がない場合、決済日に銀行が対応できない可能性があるため注意が必要です。

また、現金決済では受け取った後に多額の現金を持ち歩くことになるため、

速やかに金融機関の口座に入金できるように準備を整えておくことが重要です。

振込決済

銀行振り込みには、金融機関での決済とオンラインでの決済の2つの方法があります。

一般的には金融機関での決済が多く利用されますが、オンライン振込を選択する際には、

振込送金の上限金額を確認し、必要に応じて制限を解除することが求められます。

また、銀行振込には振込手数料が発生するため、その点も留意しておく必要があります。

トラブルを避けるために、振込手数料を売主と買主のどちらが負担するかを事前に決めておくことが重要です。

決済を行う時間帯

決済は主に平日の午前中に行います。これは、トラブルがあった場合にその日のうちに対処できるからです。

例えば、振込先を間違えた場合、送金元の支店にデータが戻りますが、午前中に気づけば午後に再処理が可能です。

さらに、銀行振り込みの場合、売主の口座に入金が確認できないと手続きは完了しません。

午前中に問題が発覚すれば、午後に再度手続きを行い、入金確認の時間も取れます。

書類に不備があった場合も修正する時間が必要なので、午前中に行うのが基本です。

決済を行う場所

決済を行う場所は、選んだ決済方法によって変わります。

・現金やネット銀行決済の場合→不動産会社や司法書士の事務所
・銀行振り込みの場合→銀行の特定の部屋

それぞれの方法について、順を追ってわかりやすく説明しますので、参考にしてください。

現金やネット銀行決済の場合

現金やネット銀行での決済は、不動産会社や司法書士事務所のオフィスで行われることが一般的です。

現金での決済をする際に、他の場所を選ぶ場合は、安全に大金を受け渡せる静かな個室が望ましいです。

売主は現金を受け取った後、銀行に行って入金します。

銀行振り込みの場合

銀行振り込みによる決済は、買主が振り込みを行う金融機関の個室やブースで行われることが一般的です。

このような場所を選ぶ理由は、買主が残代金を支払ったり、ローン担当者とのコミュニケーションを円滑に進めることができるためです。

決済場所の手配は、通常、不動産会社が担当します。

決済を行う際の立会人

不動産売却の決済においては、買主や売主、仲介者に加え、数名の立会人が必要となります。

以下に「立会人として参加できる方」をまとめましたので、ご参考ください。

- 売主および買主
- 不動産会社の担当者
- 司法書士
- 買主の住宅ローンを担当する金融機関の担当者
- 売主の住宅ローンを担当していた金融機関の担当者

立会人の手配は通常、不動産会社の担当者が行いますので、専門的な知識がなくても問題ありません。

安心して決済に臨んでいただければと思います。

不動産売却時の決済から引き渡しまでの流れ

不動産決済当日の手続きおよび引き渡しの流れは以下のようになります。

1. 司法書士による登記関連書類の確認
2. ローンの実行
3. 残代金の支払い
4. 仲介手数料の支払い
5. 抵当権抹消の手続き
6. 鍵および書類の引き渡し

各手続きについて詳しく説明いたします。

司法書士による登記関連書類の確認

決済を行う前に、司法書士は売主と買主の登記に関する書類を確認します。

この確認作業では、売主の本人確認や必要書類の整備状況をチェックします。

この段階で問題が生じると、手続きを進めることができなくなります。

確認内容と手順は以下の通りです。

1.司法書士が生年月日や住所などを聴取し、意思能力や行為能力に問題がないかを確認する。
2.所有権移転に関する内容に誤りがないかを確認する。
3.実印と印鑑証明書の照合を行う。
4.売主は、所有権移転に必要な登記申請書、登記原因証明情報、委任状(司法書士宛て)に署名・捺印し、必要な書類を整える。

登記手続きは司法書士が法務局で行うため、決済と登記の完了には時間差が生じます。

そのため、決済の場では登記関連書類の確認のみが行われます。

ローンの実行

司法書士による登記関連書類の確認が完了した後、買主は支払いのためにローンを実行します。

ローンが実行されると、買主の口座に融資金が振り込まれ、その後、売主への支払いが行われます。

決済時に住宅ローンの審査が通過している場合、

金銭消費貸借契約書は既に作成されているため、金融機関が用意した伝票に署名と捺印を行うだけで済みます。

残代金の支払い

ローンが実行されると、買主の銀行口座に資金が振り込まれ、売主に対する残代金の支払いが可能となります。

残代金は、売買代金から手付金を差し引いた金額を指します。

通常、手続きは数分で完了しますが、状況によっては時間がかかることもあります。

例えば、売主と買主の金融機関が異なる場合や、月末や年度末の繁忙期には、1時間以上かかることもあります。

具体的な手続き内容は、金融機関が用意した伝票に必要事項を記入し、手続きの完了を待つことです。

買主の口座からの出金に必要な出金伝票と、売主の口座への入金に必要な振込伝票がそれぞれ記入され、手続きが進行します。

伝票には署名と捺印が求められます。支払いが完了するのは、売主側の金融機関の担当者が買主からの振り込みを確認した時点です。

仲介手数料の支払い

不動産会社に対して仲介手数料を支払う必要があります。

金融機関での支払いが行われる場合も、その場で決済が完了することが一般的です。

通常、時間はほとんどかかりません。決済時に支払う仲介手数料は50%となります。

仲介手数料は2回に分けて支払われ、初回は売買契約が成立した時点で既に50%が支払われているためです。

また、仲介手数料には法律で定められた上限があり、取引額に応じて異なります。

仲介手数料の上限額は以下の通りです。

・200万円以下⇒取引額の5%
・200万円超~400万円以下⇒取引額の4%+2万円
・400万円超~⇒取引額の3%+6万円


抵当権抹消の手続き

抵当権抹消の手続きは、売却予定の不動産に抵当権が登録されている場合に必要な手続きです。

売主がローンの返済を完了した後に、抵当権抹消の手続きが実施されます。

抵当権を抹消しない限り、不動産を売却することはできないため、この手続きは必須となります。

売主の金融機関から抹消に必要な書類と委任状が提供され、その後、所有権移転に必要な書類が司法書士に渡されます。

これらの手続きは司法書士が法務局で行います。

また、売主の残債務の返済も同時に行われることが一般的です。

買主からの残代金が振り込まれた後に手続きが進められます。

さらに、手続きに必要な書類を渡す際に、司法書士への報酬も支払います。

抵当権抹消に関する司法書士の報酬は通常売主が負担し、所有権移転に対する報酬は買主が負担することが多いです。

どちらが負担するかは、一般的に売買契約の締結時に取り決められます。

鍵・書類の引き渡し

全ての支払いと手続きが完了した後、売主から買主へ所有権が移転します。

売主は、買主に対して鍵や関連書類を引き渡すことになります。

具体的に引き渡されるものは以下の通りです。

・新築時の図面一式
・販売時に受け取ったパンフレット
・建築確認通知書
・設備に関するパンフレットや説明書
・(マンションの場合)組合規約
・物件に関連する全ての鍵(設備の鍵も含む)

不動産売却の決済に必要な書類と持ち物

不動産売却の決済を円滑に進めるためには、書類や持ち物の準備が非常に重要です。

決済当日に必要な書類に不備があったり、持ち物が不足している場合、決済を実施できず、延期となる可能性があります。

売主が決済時に必要とされる書類および持ち物の詳細は画像の通りです。

実印と印鑑証明書は必ず一緒に用意する必要があります。

印鑑証明書には3ヶ月の有効期限があるため、決済日にはその有効性を確認することが重要です。

お住まいの地域の役所や、マイナンバーカードを利用してコンビニエンスストアでも取得可能ですので、

手続きに合わせて最新のものを取得してください。

書類の中には、準備に時間がかかるものもあります。

例えば、抵当権抹消書類は最短でも10営業日を要しますので、売買契約が締結されたら速やかに準備を開始することが求められます。

売主が所持しているはずの書類を紛失した場合は、司法書士にその旨を伝え、適切な対処を依頼してください。

登記に関する権利証や登記識別情報通知を紛失した場合は、証明書作成費用を支払い、再発行を受ける必要があります。

紛失が判明した際は、直ちに司法書士または仲介担当者に報告し、対処方法を確認しましょう。

必要な書類や持ち物の中でも特に重要なのは、実印、印鑑証明書、権利証です。

これらを忘れると、決済日当日に手続きを進めることができなくなりますので、十分に注意してください。

また、上記以外にも個別に必要な書類がある場合がありますので、必ず仲介担当者に確認することが大切です。

不動産売却の決済を行うための事前準備

買主の住宅ローン審査が承認されたら決済の準備を始めます。

決済を行うための事前準備は以下になります。

・抵当権抹消の準備
・隣地境界線を確定
・引っ越し

不動産会社の担当者に相談しながら、準備をすすめていきましょう。

抵当権抹消の準備

最初に行うべきことは、抵当権抹消に必要な書類を準備することです。

金融機関によっては、書類の準備に3週間以上かかることがありますので、

住宅ローンを利用している金融機関に連絡し、抹消書類の作成を依頼することが重要です。

抵当権抹消の手続きの流れは以下の通りです。

1. 売却の意向を金融機関に通知する
2. 決済日が確定したら、再度金融機関に連絡し、書類の準備を依頼する
3. 司法書士に決済日の立ち合いを依頼する
4. 決済日に、買主から受け取る売却代金で住宅ローンを完済する
5. 銀行から抵当権抹消に必要な書類を受け取る(司法書士を通じて)
6. 司法書士が抵当権抹消の手続きを行う

抵当権抹消の準備を怠ると、「決済日までに抹消書類が整わない」という事態が発生する可能性があります。

金融機関とともに、司法書士にも連絡を取り、準備状況を定期的に確認することが大切です。

隣地境界線を確定

戸建てや土地を売却する際には、境界が未確定の場合、隣地境界線を明確にすることが不可欠です。

境界線が不明確なままだと、トラブルを引き起こす可能性があります。

隣地境界線とは、建物が建設される敷地と他の敷地との境界を示すものであり、法的な効力を持っています。

通常、境界の確定は測量士による測量を行い、土地家屋調査士に調査を依頼して実施します。

隣地の所有者の立ち合いが必要となるため、早めに説明を行い、日程を調整することが重要です。

売買契約の前にこの手続きを済ませることが一般的です。

引越し

引っ越しは必ず決済の前に完了させる必要があります。

その理由は、決済日に所有権が移転し、売主のものではなくなるからです。

決済の準備を進める際には、引っ越しの日程を計画的に設定しておくことが重要です。

特に、引っ越しの繁忙期である2月から4月にかけては、予約が取りづらくなることが多いため、早めの準備が求められます。

不動産売却の決済を行う際の注意点

不動産売却の決済を行う際には、主に2つの重要な注意点があります。

1. 振込手数料の負担者を確認すること
2. 必要書類が全て揃っているかを確認すること

以下に詳細を説明いたします。

振り込み手数料をどちらが負担するか確認しておく

一般的な売買契約書には「振込手数料の負担者」に関する明確な規定がないため、

売主と買主の間で協議を行い、合意に至る必要があります。

銀行振り込みを利用する際には、振込手数料の支払い者についてのトラブルが発生する可能性があるため、事前に確認しておくことが重要です。

振込手数料は通常、振込を行う側(買主)が負担するのが一般的です。

しかし、買主が現金での支払いを希望し、売主が振り込みを希望するなど、双方の意向が異なる場合も考えられます。

その際には、振込を希望する側が手数料を負担することを提案し、調整を図ることが求められます。

振込手数料に関するトラブルを避けるためにも、売主と買主のどちらが振込手数料を負担するのかを、必ず決済前に確認しておくことが必要です。

必要書類が揃っているか確認しておく

必要書類がすべて整っているかどうかを必ず確認することが重要です。

なぜなら、決済当日に書類が不足していると、手続きが延期される可能性があるからです。

決済日が変更される場合、取引に関与する立会人のスケジュールを再調整する必要が生じ、売買の完了が遅れることになります。

これにより、関係者に迷惑をかけるだけでなく、買主は不動産の取得が遅れ、売主は買主からの代金受領が遅延します。

また、場合によっては債務不履行により契約違反と見なされ、違約金が発生する可能性もあるため、十分な注意が必要です。

不明点や不安な点があれば、担当者に確認や相談を行うことが重要です。

書類を紛失した場合の対処法についても、余裕を持って確認しておくことが求められます。

不動産会社の担当者と密に連携し、準備を万全に整えましょう。

最後に

不動産の売却における決済は、多額の金銭が関与し、必要な書類の準備や立会人の調整など、手続きが複雑です。

このため、事前に仲介担当者と相談し、計画的に準備を進めることが重要です。

決済を円滑に完了させるためには、不動産会社の適切なサポートが不可欠です。

最後までお読みいただきありがとうございました。
不動産のご依頼、ご相談は、お気軽にアークにお問い合わせ下さい。

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